HOT TO RUN FASTER

さらに速く走るために

第29回

「身体感覚を試してみよう」

冬休みがやってきました。年末年始のお休みで、普段は忙しいお父さんやお母さんも、この時期ばかりはお子さんとともに過ごす時間をとれるのではないでしょうか?
そこで、お子さんと一緒に試して頂きたいのが、身体感覚のチェックです。走るという運動に限らず、スポーツが上手く出来ないお子さんの場合、自分のカラダが今どのような形(フォーム)なのかという感覚(身体感覚)がずれているケースが多くあります。たとえば、「姿勢を正して」という声に対して、まっすぐ立っているつもりなのに、周りの人から見ると、右か左にどうも偏っていて曲がっているように見えてしまうというのがこれです。ランニングでいえば腕の振り幅や脚の上がり具合をはじめ、蹴り足から頭までのラインやカラダの前傾など様々な動きが走る速さに影響しますので、身体感覚が正しいことが重要です。そこで、ご自宅でお子さんと一緒に、身体感覚をチェックしてみましょう。

以下にチェック方法の例とポイントを挙げます。他にも様々なカタチ(姿勢)で試してみてください。

お子さんに「まっすぐ立って」という声を掛けて、左右の肩がどちらかに偏っていないかをチェックします。コーナー走では遠心力で体が内側に傾きますが、走るためには、左右それぞれの足で地面をまっすぐに蹴ることが大事です。どちらかの肩や胴体そのものが傾いている場合には、「(右が左、傾いている方を)ちょっと高く」とか声を掛けてあげて修正してみて下さい。

②同じく「まっすぐ立って」に対して、真横から姿勢をチェックします。お子さんのカラダが前傾しているか、後傾しているか、あるいは直立しているかをチェックします。前傾している場合には、体重が足のつま先側にかかっていますし、後傾している場合にはカカト側にかかっていることが多いです。走るスピードという観点で言えば、足のつま先側に体重がかかっている方が楽にスピードを出して走ることが出来ます。また、まっすぐ立っているつもりでも、腰が引けて曲がっているお子さんをよく見かけます。この場合、地面を蹴って跳ね返った力が伝わらず、速く走ることができません。

③「両腕を肩の高さでまっすぐ伸ばして」と声をかけて、左右の腕を結んだラインがまっすぐに伸びて地面と並行になっているか、そして頭と足を結んだラインと直角になっているかをチェックします。「(腕が)肩の高さに上がっている」というのはこの高さまで上げることなんだよ、と教えてあげましょう。(ただし、この場合、感覚だけでなく左右の筋力が偏っている場合にも、腕がまっすぐ伸びなかったり、どちらかの腕が上がっていなかったりします。)

「モモをあげたときの高さはイメージと合っているか」をチェックします。自分では高くあげているつもりでも低すぎたり、逆に、高くあげすぎていたりすることがあります。モモの前側が平ら(地面と平行)になるように腿上をあげることを指示して、イメージ通りかをチェックして教えてあげましょう。お子さんの感覚がずれているようでしたら、お父さん・お母さんが修正してあげましょう。