HOT TO RUN FASTER

さらに速く走るために

第20回

「ウインドスプリント」のご紹介

春が近づいてきました。
花粉症の季節が過ぎると運動会や陸上大会の季節がやってきます。もっと早く準備しておけばよかったという後悔をしないために、今のうちから少しずつ準備をしておきましょう。

この時期、去年よりもカラダが大きくなっているにも関わらず、タイムが悪くなっていることを気にするお子さんや保護者の方が居ます。でもちょっと待ってください!
去年のタイムは、練習を重ねて気温も暖かくなってきた段階でのタイムであり、この季節のタイムは久々に短距離走を走ったタイムです。去年よりもタイムが遅いことがあっても何ら不思議なことではありません。

寒い時節に全力疾走をしても、筋肉は暖かい時ほど大きなチカラを出してくれません。こんな季節には、しっかりと準備運動をして、筋肉をはじめカラダの温度を上げることが、早く走るためだけでなく怪我を予防するためにも重要です。
また、身長が伸びたお子さんにとっては、未だカラダが重りとなっているため、スムーズに加速することを邪魔することも考えられます。ですから、走る練習を通して、大きくなった自分のカラダを巧く操ることができるようにする必要があります。

この季節はいきなりスタートダッシュをするのではなく、「ウインドスプリント」という練習を多く行いましょう。「ウインドスプリント」とは、立った姿勢からあまりチカラを入れずに徐々に加速していき、トップスピードまで達したら、チカラを抜いていく練習であり、陸上をやっている人たちの間では「流し」と呼ばれるものです。この練習では、力まずに行うことがポイントです。また、風が吹いている時には、追い風を利用して風のチカラで加速していくと有効です。

この練習を行うことで、リラックスして走ることが身に付きます。うまくできるようになったら、トップスピードを少し長く維持してみましょう。あくまでも力まずに、「風(ウインド)になる」ことがポイントです。