第22回
瞬足
瞬足

「スキップで地面を蹴る感覚をつかもう」

早く走るためには、地面を蹴ることで地面からの反発を受ける必要があります。
しかし、どんなに大きな力で地面を蹴ったとしても、足が地面をとらえることが出来ていなければ、力は地面に伝わること無く逃げてしまいます。
そこで、効率よく地面を蹴り、地面からの反発を受ける感覚をつかむための練習をしましょう。

といっても、新しくて難しいことをやろうというのではありません。
その練習とは、皆さんが小さいときからやったことがある“スキップ”です。ただし、楽しくリズムに乗ってやるというよりも、“タッターン”というリズムの“ターン”の時に、足裏で地面を蹴ることを意識して、斜め前に高く跳び上がりましょう。

はじめのうちは、このようなスキップを左右で3回ずつ、合計6回繰り返します。
うまく出来るようになったら、50メートルをスキップで進んでみます。
この練習をすることにより、足で地面を蹴ることで効率よく前に進むことが出来るようになり、さらに走るのに使うための筋肉を鍛えることも出来るようになります。

また、50メートルを無理なくスキップすることが出来るようになったお子さんには、100メートルまで徐々に距離を伸ばしてみるのもよいでしょう。

スキップが出来る様になった人は、両手を後ろに組み、腕振りをしないでスキップをしてみます。
スキップで地面を蹴る度に左右にブレてしまう人は、カラダが進む方向に力を伝えられていないことが考えられます。
腕振り無しのスキップを繰り返して、左右のブレが無くなるように練習しましょう。

ご指導する親御様方へ

日差しが徐々に暖かくなり、春の運動会や陸上競技会の季節となりました。
この季節、私も地元の小学校で陸上部の練習の指導をお手伝いさせて頂いています。そこでは練習の効果が顕著に現れるお子さんと、効果がナカナカ現れないお子さんがいるのを感じます。もちろん、効果の現れ方には体質や遺伝の影響もあるのですが、それ以外にも指導者の説明やアドバイスを聞くお子さんの態度なども大きく影響します。

「走る」という運動自体は日常生活動作の一つなので、多くのお子さんにとってはそれほど難しいことではありません。
ですから、あまり考えなくても「走る」ことは出来てしまうわけです。
ただし、「より速く走る」とか「より巧く走る」ためには、「走り方を考える」こと、そして「自分の走る姿を知る」ことが必要となる場合があります。
そのため、日々の練習では“今がどのような走り方なのか”と“どうした方がよいのか”、そして“この練習では何をねらっているのか”といった言葉を掛けてあげることが有効です。

このような説明に対して、眼と耳を傾けて自分のカラダで実践してみてくれるお子さんもいるのですが、一方で友達と戯れ合っていたり、足で砂遊びをしたりして説明を殆ど聞いておらず、前のお子さんにただ続いて走っているだけというお子さんもいます。

当然、説明を聞いているお子さんの走りは上達することが多いですが、ただ走っているだけのお子さんの場合はあまり変化が見られないことが多いです。
体育やスポーツの分野では、いわゆるコツや習得するための理論があります。
ですから、国語や算数などのように教室で勉強する科目と同様に、それらを知った上で練習を行う方が上達には近道となるわけです。
この春、大会や運動会に向けて、ぜひ頭とカラダの両方を使って練習に取り組んでみましょう。

ところで、スポーツの指導に関わる方の中には、フォームをやたらと修正したがる方、型にはめたがる方も眼にします。
お子さんがあまり考えずに走っている姿は、理想のフォームと多少異なっていても実はリラックス出来ていて良い場合も有ります。
ですから、フォームを修正するとうよりは、むしろ良いところを伸ばしてあげるとう指導がタイムの向上には有効なのかもしれません。また、一度に沢山のことを指摘されては、動きが修正されるどころか、かえって固くてぎこちないフォームになりかねません。

実際、教室や練習での場面や、私が訪れる競技場などでも、お父さんや先生から沢山のことを指摘されて過ぎていて、それを全く吸収することができずにいるお子さんの姿を目にします。
1回の走りでは、修正ポイントは1つか2つにして、お子さんの走りを見守ってあげてください。