第11回
瞬足
瞬足

はやく走るためにこんな練習

お子さんの走るフォームについて、他のお子さんと違うからといって気にするお母さんから相談を受けることがあります。しかし、「子どものうちは、極端におかしなフォームでは無い限りは修正する必要がない」というのが私の意見です。もちろん、学校の先生やクラブのコーチのなかには、すぐにフォームを修正しようとする方も居ますが、走るフォームの正解は一つではありませんので、無理に型にはめる必要はありません。今のままのフォームが、お子さんの楽に走れるフォームであるわけですから、それを大事にしてあげることも必要なのではないでしょうか。世界陸上やオリンピックなどでは世界一流のランナーを目にしますが、よく見ると走るフォームはひとそれぞれであり、みんな違った走り方であることが分かります。そう、一流選手でも走るフォームは人それぞれなのです。

走るフォームはカラダの大きさや脚の長さ、筋肉の量などの影響を受けます。カラダの大きさなどが違えば、走るフォームが違うのはあたり前です。さらに、子どもの場合には、大人と比べると身長が低い割に頭の大きさが大きいためにバランスをとりにくい構造になっています。また、全身の筋肉の量も大人に比べると圧倒的に少ないです。したがって、今は多少おかしなフォームであったとしても、成長していく過程で少しずつ修正される可能性もありますから、焦らずに落ち着いて見守ってあげることも大事なのではないでしょうか。

また、筋肉の発育や発達が十分でない時期から無理にフォームを直そうとしても、カラダを動かす能力が低いために、フォームは一向に修正されないということもよくあります。ですから、お子さんの場合にはフォームを修正するというのではなく、カラダを上手く使いこなせるようにすることが重要だと思われます。特に、子どものうちは、股関節(脚の付け根)や肩関節など体幹部についている腕や脚を動かす筋肉を使うのが苦手です。その反面、これらの筋肉は大きな力を出すことができるので、これらを上手く使うことができるようになれば、自然と走るのも早くなると考えられます。そこで、今回は股関節を使えるようにするドリル(運動課題)をご紹介します。走るのを修正するためではなく、あくまでもカラダを使うこなす事ができるようになるための遊びと捉えて取り組んでみてはいかがでしょうか。

股関節を使えるようにするドリル

1)階段などのちょっとした段差を利用します。
見本の写真のように、片方の足を段の上にのせます。
体重が前脚にのるようなイメージです。

2)ジャンプをしながら脚を入れ替えます。
空中に居る間に前後の脚を入れ替えます。

3)連続して10回繰り返しましょう。

※最初のうちは脚を動かす事に夢中になり腕を振ることができないかもしれませんが、脚の動きがちゃんとできるようになったら、これに腕振りを加えましょう。腕を動かすことで脚も正確かつ速く動かす事ができるようになります。
※NGの写真の子のように、後ろ脚に体重がのっているような動きだと、股関節の筋肉を使わずに行っているようになります。

ドリルの見本
ドリルの見本(NG)